気になる。

日常の中にある “小さな違和感” を記録しています。 怖いかどうかは、読んだあなたが決めてください。

日常の違和感(短編)

第十二話:インターホン越しの

インターホンの履歴を何気なく確認したときだった。 見覚えのない中年のおじさんが映っていた。 無表情。まばたきひとつしない。ただ、まっすぐ玄関のカメラを見つめている。 押されたのは真昼間。 その時間帯によくあるイタズラかと思ったが、違和感が強か…

第十一話:家の周りをぐるぐると

結局その日は玄関の前で待つのをやめて、部屋に戻った。不安になって、改めてGPSを開くと…配達員のアイコンが、家の周りを回っていた。 普通のルートじゃない。細い裏路地や、普段自転車でも通らないような幅の道を、ゆっくり、ゆっくり、円を描くように。 …

第十話:届かないUber Eats

深夜一時すぎ。小腹が空いて、なんとなくマックを頼んだ。 この時間帯は混むはずもない。配達予定時間にも余裕があったし、玄関の前で待っていればすぐに受け取れる…そんな気持ちで、軽い気分だった。 でも、予定時刻を過ぎても来ない。通知は「近くまで来て…

第九話:帰り道

沖縄には、昔から“スリーエス”と呼ばれる心霊スポットがある。正式な名前ではない。地元の人間が勝手にそう呼んでいるだけだ。ただ、その響きとは裏腹に、噂は妙に生々しい。 「帰り道で事故る。」いつも決まって“帰り道”なんだ。 先輩が実際に事故を起こし…

第八話:切り傷

引き返そう、と言ったのは友達だった。 「なんか、空気が変だよな…」 その一言で、僕らは島の端へ向かって歩き出した。 海風が戻ってくると、少し安心した。あのレストランの前だけ、妙に音が消えていたことに気づく。 浅瀬を渡りはじめたときだった。足の裏…

第七話:海に浮かぶレストランの噂

小学生の頃、妙な噂が流れていた。 「ひーとぅー島にある廃レストランに入ると、ケガをする」 誰が言い出したのか覚えていない。 沖縄に住んでいれば誰でも知っているような、海にぽつんと浮かぶ小さな島だ。 ひーとぅーは沖縄の方言で「イルカ」という意味…

第一話:消えたあかり

これは私が18歳の頃の話です。 一人暮らしを始めてから、夜の時間が少し好きになった。誰にも邪魔されず、考えごともできるし、ただ湯気の中でぼーっとできる。 この夜も、いつものように、リビングの灯りとテレビをつけたまま浴室に入った。生活音が外側…