気になる。

日常の中にある “小さな違和感” を記録しています。 怖いかどうかは、読んだあなたが決めてください。

第五話:決心

その日は、とても晴れていた。
空がやけに高く見える日だった。

ふとした瞬間に、あの入り口のことを思い出した。
忘れていたわけではない。
ただ、触れないようにしていただけだ。

家を出て、城跡へ向かう道を歩く。
昼なのに、周りの音がゆっくり遠のいていく。
足音のすぐ後ろに、誰かの気配がついてきていた。

怖さはなかった。
振り返る理由もなかった。

 

進むしかない。


そう思っていた。

やがて、遊歩道の入り口に着いた。
あの小さな五段の階段が、昔と同じ形でそこにあった。

胸の奥が、静かに熱くなった。

なぜかわからないけれど、
決着をつけよう と思った。

見たかった。
ずっと進みたかった。
あの先に、何があったのか。

ここで終わらせるために。


あるいは、ここから始めるために。