その日は、とても晴れていた。
空がやけに高く見える日だった。
ふとした瞬間に、あの入り口のことを思い出した。
忘れていたわけではない。
ただ、触れないようにしていただけだ。
家を出て、城跡へ向かう道を歩く。
昼なのに、周りの音がゆっくり遠のいていく。
足音のすぐ後ろに、誰かの気配がついてきていた。
怖さはなかった。
振り返る理由もなかった。
進むしかない。
そう思っていた。
やがて、遊歩道の入り口に着いた。
あの小さな五段の階段が、昔と同じ形でそこにあった。
胸の奥が、静かに熱くなった。
なぜかわからないけれど、
決着をつけよう と思った。
見たかった。
ずっと進みたかった。
あの先に、何があったのか。
ここで終わらせるために。
あるいは、ここから始めるために。