気になる。

日常の中にある “小さな違和感” を記録しています。 怖いかどうかは、読んだあなたが決めてください。

第十二話:インターホン越しの

インターホンの履歴を何気なく確認したときだった。


見覚えのない中年のおじさんが映っていた。

 

 

無表情。
まばたきひとつしない。
ただ、まっすぐ玄関のカメラを見つめている。

押されたのは真昼間。


その時間帯によくあるイタズラかと思ったが、違和感が強かった。

呼び鈴を押してるのに、まるで動きがない。
静止画みたいなのに、動画だった。

翌日もまた履歴が残っていた。
同じおじさん。
まったく同じ角度、同じ表情。
まばたきも、体の揺れもない。

 

……けれど、実際にチャイムが鳴った記憶はない。
インターホンが押された気配も、音もしていない。
なのに履歴だけ残り続ける。

 

それから1か月が経った。
不思議ともう来なくなった。
だけど、インターホンの前を通るたびに思い出す。

あのとき、もしオートロックじゃなかったら。
もしあの日、鳴ったはずの音が聞こえていたら。

あのおじさんは、今どこにいるんだろう。
……というより、そもそも何が目的だったんだろうか。